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「何回言ったらわかるの!」 「ちゃんとしなさい!」 「なんでそんなこともできないの?」
お子様に、こんな言葉をかけてしまったことはありませんか?
毎日の育児の中で、つい感情的になってしまうのは当然のことです。ましてや、発達に特性のあるお子様の子育ては、想像以上にエネルギーを使います。頭ではわかっていても、何度も同じことの繰り返しに疲れてしまう——そんな保護者様の気持ちは、痛いほどわかります。
でも、ちょっとした言い換えで、お子様の反応が驚くほど変わることがあります。
帯広市で放課後等デイサービス・児童発達支援を運営する「しょうとくクラブ」では、日々の療育の中で子どもたちへの声かけを大切にしています。この記事では、私たちが現場で実践している「伝わる声かけ」のポイントを、保護者様にもお伝えします。
「ちゃんとしなさい」が伝わらない理由はシンプルです。「ちゃんと」の中身がわからないからです。
定型発達のお子様であれば、状況から「ちゃんと=静かに座る」「ちゃんと=姿勢を正す」と推測できます。しかし、発達に特性のあるお子様にとって、こうした曖昧な表現は「何をすればいいのかわからない」状態を生みます。
同じように、「しっかりやりなさい」「いい加減にしなさい」「もう少し考えなさい」——こうした言葉は、大人が意図する内容と、お子様が受け取る内容にズレが生じやすい言葉です。
伝わる声かけの第一歩は、「具体的に、肯定的に、短く」。この3つを意識するだけで、コミュニケーションの質が変わります。
✕「走らないで!」「うろうろしないの!」 ○「歩こうね」「足はゆっくりだよ」
「〜しないで」という否定形は、脳が処理するのに余計なステップが必要です。「走らないで」と言われると、まず「走る」をイメージしてからそれを「しない」に変換しなければなりません。「歩こうね」なら、やるべきことがストレートに伝わります。
✕「早くしなさい!」「何回言ったらわかるの?」 ○「靴下をはこう」「次は靴だよ」
「早くしなさい」は、何を早くするのかがわかりません。支度の「どの段階」にいて、「次に何をすればいいのか」を一つずつ伝えましょう。一度にたくさんの指示を出さず、一つ完了したら次を伝えるのがポイントです。
✕「なんでそんなことするの!」「いい加減にしなさい!」 ○「物は投げません。怒っているなら言葉で教えて」
「なんで?」と聞かれても、お子様自身にもわからないことがほとんどです。まずは「してはいけないこと」を短く明確に伝え、代わりにどうすればいいのかを示してあげましょう。
✕「好き嫌いしないの」「残しちゃダメ」 ○「一口だけ食べてみよう」「これは今日はお休みにしよう」
特に感覚過敏のあるお子様にとって、苦手な食感や味は「嫌い」ではなく「痛い」に近い感覚です。無理強いは逆効果。少しずつ慣れていけるよう、スモールステップで進めましょう。
✕「やらないとゲームなしだからね」「みんなやってるでしょ」 ○「どこからやる?算数と国語、どっちが先がいい?」
脅しや比較ではなく、選択肢を与えましょう。「自分で決めた」という感覚が、行動の原動力になります。また、他の子との比較は自己肯定感を下げるだけで、ほとんど効果がありません。
声かけを変える前に、もうひとつ大切なことがあります。それは、お子様の行動の「背景」を想像することです。
「わかっているのにやらない」のではなく、「やり方がわからない」「やれる状態にない」のかもしれない。こうした視点を持つだけで、自然と言葉が変わってきます。
叱り方ばかりに意識が向きがちですが、実はいちばん大切なのは「うまくできたとき」の声かけです。
しょうとくクラブでは、「行動の強化」という考え方を大切にしています。望ましい行動をしたとき、すかさず具体的にほめることで、その行動が繰り返されやすくなるという原理です。
✕「えらいね」「すごい」(漠然としていて、何がよかったのかわからない) ○「自分から挨拶できたね」「最後まで座っていられたね」「手を出さずに言葉で伝えられたね」
何がよかったのかを具体的に伝えることで、お子様は「ああ、これをすればいいんだ」と学びます。
タイミングも重要です。行動の直後に伝えるのが効果的。時間が経ってから「さっきはよかったね」と言っても、お子様には何のことかわからなくなっていることがあります。
ここまで読んで、「自分は全然できていない」と落ち込む必要はまったくありません。
保護者様も人間です。疲れているとき、余裕がないとき、つい感情的になるのは自然なことです。大切なのは「完璧な対応」ではなく、「あ、今の言い方はよくなかったな」と気づけること。気づけたら、そこからやり直せばいいのです。
お子様は、保護者様の完璧な姿を求めているわけではありません。自分のことを理解しようとしてくれている、その姿勢を感じ取っています。
しょうとくクラブでは、保護者様からのご相談もいつでもお受けしています。「こういうとき、なんて言えばいいかわからない」「怒りすぎてしまう自分が嫌になる」——そんなお気持ちも、ぜひ聞かせてください。一緒に考えていきましょう。
発達に特性のあるお子様への声かけは、ちょっとしたコツで大きく変わります。
帯広市で放課後等デイサービス・児童発達支援をお探しの方、お子様との関わり方にお悩みの方は、しょうとくクラブにご相談ください。お子様への関わり方について、保護者様と一緒に考えていくことも、私たちの大切な役割だと考えています。
参考文献
・こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月改訂版)
・平岩幹男『発達障害の子の育て方がわかる!ペアレント・トレーニング』すばる舎
・岩坂英巳 編『困っている子をほめて育てる ペアレント・トレーニングガイドブック』じほう
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