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発達障害のあるお子様の支援において、私たちがもっとも気をつけていることがあります。
それは、「二次障害を起こさせないこと」です。
二次障害とは、発達障害の特性そのものではなく、周囲の環境や不適切な関わりによって、後から生じる心理的・行動的な問題のことです。
うつ、不安障害、不登校、引きこもり、自傷行為——発達障害のあるお子様が思春期以降にこうした問題を抱えるケースは、残念ながら少なくありません。しかし、二次障害の多くは「防ぐことができるもの」です。
帯広市で放課後等デイサービス・児童発達支援を運営する「しょうとくクラブ」が、二次障害について保護者様に知っておいていただきたいことをお伝えします。
発達障害は、生まれつきの脳の機能の特性です。それ自体は「病気」ではなく、適切な環境と支援があれば、お子様は自分らしく生きていくことができます。
ところが、特性が理解されず、不適切な環境に長期間さらされ続けると、もともとの特性とは別の問題が出てきます。これが二次障害です。
たとえるなら、近視の人にメガネを渡さず、「なんで見えないの?ちゃんと見なさい」と叱り続けるようなもの。近視そのものは変わらなくても、叱られ続けることで自信を失い、人前に出るのが怖くなり、やがて外に出られなくなる——二次障害はそういうプロセスで生まれます。
二次障害は大きく2つのタイプに分けられます。
**内在化(内に向かう)タイプ** ・うつ状態、気分の落ち込み ・不安障害(人前が怖い、新しい場所が怖い) ・自己否定(「自分はダメだ」「生きている意味がない」) ・心身症(腹痛、頭痛、吐き気などの身体症状) ・不登校、引きこもり ・自傷行為
**外在化(外に向かう)タイプ** ・反抗挑戦性障害(大人への反抗が極端に激しくなる) ・暴言、暴力 ・非行 ・家庭内暴力 ・嘘をつく、ものを壊す
一般的に、ASDの特性を持つお子様は内在化タイプ、ADHDの特性を持つお子様は外在化タイプが出やすいと言われていますが、個人差が大きく、両方のタイプが混在することもあります。
二次障害が起きるまでのプロセスを見てみましょう。
**ステップ1:特性が理解されない** 「なんで何回言ってもわからないの」「ちゃんとしなさい」「やる気がないの?」——特性に気づかれないまま、叱責や注意が繰り返されます。
**ステップ2:失敗体験が積み重なる** がんばっているのにうまくいかない。怒られる。笑われる。避けられる。成功体験よりも失敗体験が圧倒的に多い日々が続きます。
**ステップ3:自己肯定感の低下** 「自分はダメな人間だ」「何をやってもうまくいかない」「どうせ自分なんか」——こうした思い込みが、心の奥に根を下ろしていきます。
**ステップ4:二次障害の発症** 自己肯定感の低下が長期間続くと、うつ・不安・引きこもり・反社会的行動など、さまざまな形で二次障害が現れます。
つまり、二次障害の根っこにあるのは「自己肯定感の低下」であり、それを引き起こすのは「理解されない環境」です。逆に言えば、特性を理解し、適切な環境を用意することで、二次障害は予防できるのです。
「できないのではなく、できにくいのだ」「怠けているのではなく、やり方がわからないのだ」——この理解がすべての出発点です。
発達障害の特性は、お子様の努力や意志の力だけでは変えられません。「がんばれば治る」という発想を手放し、「この子にはどんな工夫があれば過ごしやすくなるか」を考えることが、最初の一歩です。
お子様が「できた!」と感じられる場面を、意識的につくりましょう。
しょうとくクラブの療育でもっとも大切にしているのは、この「成功体験の積み重ね」です。
学校で失敗しても、家で叱られても、「ここに来れば大丈夫」という場所がひとつあるだけで、お子様の心の負担は大きく変わります。
放課後等デイサービスは、まさにそうした「安全基地」になり得る場所です。スタッフとの信頼関係の中で、ありのままの自分を受け入れてもらえる経験が、お子様の心を守ります。
二次障害は、ある日突然現れるわけではありません。必ずその前兆があります。
こうしたサインに早く気づき、対応することで、深刻化を防ぐことができます。「なんとなく最近様子がおかしい」という直感を、大切にしてください。
二次障害の予防は、保護者様にも大きな負担がかかります。お子様のために一生懸命になるあまり、保護者様自身が疲弊してしまうことも少なくありません。
保護者様の心が安定していることは、お子様の心の安定に直結します。相談支援事業所、かかりつけ医、放課後等デイサービスのスタッフ——頼れるところには、遠慮なく頼ってください。
二次障害が最も起きやすいのは、思春期(中学生〜高校生)です。自分と他者を比べる意識が高まり、「自分は周りと違う」という気づきが深まる時期だからです。
思春期に向けて、今からできることがあります。
これらは一朝一夕にはいきませんが、幼少期から少しずつ積み重ねていくことで、思春期の嵐を乗り越える力になります。
二次障害は、発達障害そのものよりも深刻な問題を引き起こすことがあります。でも、適切な理解と環境があれば、多くの場合は防ぐことができます。
帯広市で放課後等デイサービス・児童発達支援をお探しの方、お子様の心のケアについてお悩みの方は、しょうとくクラブにご相談ください。お子様の「今」を大切にしながら、将来に向けた支援を一緒に考えていきます。
参考文献
・本田秀夫『子どもの発達障害——子育てで大切なこと、やってはいけないこと』SBクリエイティブ
・杉山登志郎『発達障害の子どもたち』講談社現代新書
・こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月改訂版)
・齊藤万比古 編『発達障害が引き起こす二次障害へのケアとサポート』学研プラス
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