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「白いご飯しか食べない」 「野菜は一切口にしない」 「同じメーカーの同じ味のものしか受けつけない」 「給食の時間が苦痛で、学校に行きたがらない」
お子様の偏食に悩んでいる保護者様は、本当に多いです。
「好き嫌いが激しい」「わがまま」「育て方が悪い」——周囲からこうした言葉をかけられて、追い詰められた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、発達に特性のあるお子様の偏食は、わがままではありません。そこには、お子様なりの「食べられない理由」があります。
帯広市で放課後等デイサービス・児童発達支援を運営する「しょうとくクラブ」が、偏食の背景にある感覚の問題と、無理のない対応のヒントをお伝えします。
発達障害のあるお子様の偏食の多くは、感覚過敏(または感覚の偏り)と深く関わっています。
食事には、実はたくさんの感覚情報が含まれています。
私たちが普段意識せずに処理しているこれらの情報が、感覚過敏のあるお子様にとっては強い刺激になることがあります。
たとえば——
これは「好き嫌い」のレベルではなく、「痛み」に近い感覚です。大人が「鼻をつまんで食べなさい」と言うのは、痛いのに我慢しろと言っているのと同じことかもしれません。
「食べないと栄養が偏る」「給食を残すとかわいそう」——保護者様や先生方の心配はよくわかります。
しかし、無理に食べさせることには大きなリスクがあります。
**食事そのものがトラウマになる** 無理やり口に入れられた経験が恐怖として記憶され、食卓に座ること自体を拒否するようになるケースがあります。
**食べられるものがさらに減る** 「嫌な思いをした食事の場」を避けるようになり、安心できる限られた食べ物にますます固執するようになります。
**親子関係の悪化** 毎回の食事が「食べさせる vs 食べたくない」のバトルになると、食事の時間が親子ともにストレスになります。
まずは「今、食べられるものがある」ことを肯定するところから始めましょう。
では、どうすれば無理なく食べられるものを増やせるのか。しょうとくクラブのおやつの時間や調理活動で実践しているアプローチをご紹介します。
食べることは求めません。「テーブルの上にその食材がある」状態に慣れるところから始めます。お友だちが食べている横で、「見ているだけ」でOK。これだけでも、拒否しなくなったら大きな一歩です。
「食べなくていいから、触ってみて」と声をかけます。手で触る、つまんでみる、つぶしてみる。調理活動でフルーツを切ったり、野菜を洗ったりする体験も、食材との距離を縮める効果があります。
「くんくんしてみて」と誘います。においを嗅ぐだけなら、口に入れるよりハードルが低い。「くさい!」と笑ったとしても、それは食材と関わりを持てた証拠です。
くちびるにちょんとつけるだけ、舌先でペロッとするだけでOK。「味見係になって」「どんな味がするか調査してみて」とゲーム感覚で誘うと、抵抗感が減ることがあります。
ここまで来たら、ほんの一口。小指の先くらいの量で十分です。食べられたら大げさにほめます。食べられなくても、「チャレンジしようとしたことがすごいね」と過程を認めます。
このステップを急いではいけません。ステップ1に何週間もかかるお子様もいますし、それで全然構いません。大切なのは、お子様のペースを尊重することです。
食べるもの自体へのアプローチだけでなく、食事の環境を整えることも大切です。
**見た目の工夫** ・苦手な食材が見えないように調理する(みじん切りにして混ぜ込む、カレーやハンバーグに入れるなど) ・食器やランチョンマットをお気に入りのものにする ・盛りつけの量を少なくして、「全部食べられた」達成感を味わえるようにする
**環境の工夫** ・食事中のテレビは消す(感覚情報を減らす) ・強いにおいの料理は換気をする ・食卓の照明を調整する(蛍光灯のチカチカが気になるお子様もいます)
**食器・道具の工夫** ・口に入れたときの感触が嫌な場合は、スプーンの素材を変えてみる(金属→プラスチック→木製) ・コップの縁の厚さや飲み口の形で飲みやすさが変わることもある
「偏食がひどくて、栄養が心配」という声は多くいただきます。
まず安心していただきたいのは、人間の体は思った以上にたくましいということ。限られた食材の中でも、体は必要な栄養素をやりくりしています。
それでも心配な場合は、かかりつけの小児科に相談しましょう。必要に応じて血液検査で栄養状態を確認したり、サプリメントや栄養補助食品を活用したりする方法もあります。
「食べられるものが少ない」ことを責めるより、「食べられるものの中でいかにバランスを取るか」を考える方が、建設的です。
発達障害のあるお子様の偏食は、わがままでも、育て方の問題でもありません。感覚の特性からくる「食べられない理由」があります。
帯広市で放課後等デイサービス・児童発達支援をお探しの方、お子様の偏食にお悩みの方は、しょうとくクラブにご相談ください。おやつの時間や調理活動を通じて、楽しみながら食の経験を広げるお手伝いをしています。
参考文献
・宮本信也 監修『発達障害の子の「食べられない」を理解する本』講談社
・こども家庭庁「児童発達支援ガイドライン」
・立山清美・宮崎つた子「自閉スペクトラム症児の偏食に関する研究の動向」特殊教育学研究
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