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「宿題をやらせるだけで精一杯で、他に何ができるのかわからない」 「プリント学習以外の支援方法を知りたい」 「うちの子に合った学び方を見つけてあげたい」
放課後等デイサービスや児童発達支援を利用されている保護者様から、こうしたご相談をいただくことが増えています。
帯広市で放課後等デイサービス・児童発達支援を運営する「しょうとくクラブ」では、プリント学習や宿題サポートだけでなく、遊びや生活体験を通じて「学ぶ力の土台」そのものを育てる療育に取り組んでいます。
この記事では、私たちが現場で実践している学習支援の療育アイデアを7つご紹介します。ご家庭でも応用できるヒントがありますので、ぜひ参考にしてみてください。
発達に特性のあるお子様の学習の困難さは、単に「勉強が苦手」なのではなく、その手前にある力——目の使い方、手指の巧緻性、聞いて覚える力、姿勢を保つ力——がまだ育ちきっていないことが原因であるケースが少なくありません。
たとえば、こんな場面はありませんか?
こうした「学びの土台」を整えることで、教科学習の理解も自然と進みやすくなります。
ビジョントレーニングとは、眼球運動や視覚認知を鍛える訓練です。板書を写すとき、私たちは黒板と手元のノートの間で視線をすばやく動かしています。この「目のジャンプ(跳躍性眼球運動)」がスムーズにできないと、書き写しに時間がかかったり、行を読み飛ばしたりします。
しょうとくクラブでは、専用のワークブックや日めくり式の教材を使って、1日5分の眼の運動を取り入れています。線めいろ、形さがし、同じ形の弁別など、ゲーム感覚で楽しく取り組めるものを選んでいます。
**ご家庭でできるヒント** ・間違いさがしや迷路の本を一緒にやってみましょう ・「あの看板に何が書いてある?」と遠くのものを読む遊びも効果的です
鉛筆を上手に持つ、消しゴムで丁寧に消す、定規で線を引く。学習場面では意外なほど手先の器用さが求められます。
しょうとくクラブでは、ビーズの紐通し、折り紙、はさみ工作、お箸の練習などを「遊び」として取り入れています。特に、HABA社の「スティッキー」というバランスゲームは、力加減の調整と集中力を同時に鍛えられるため、子どもたちにも人気があります。
**ご家庭でできるヒント** ・お箸でつまむ練習を、小さなおやつで遊び感覚に ・粘土遊びや折り紙も、立派な指先トレーニングです
文字を読んだり書いたりする力の土台に、「音韻意識」があります。これは「りんご」が「り・ん・ご」の3つの音でできていることを理解する力です。
しりとり遊びやカードゲームを使って、楽しみながら音の分解・合成を練習しています。オインクゲームズの「トマトマト」というカードゲームでは、「ト」「マト」「トマト」「マ」「ポテト」のカードを並べて読み上げるという単純なルールながら、音韻の区別と発話のトレーニングになります。大人も一緒に楽しめるゲームです。
**ご家庭でできるヒント** ・お風呂でしりとりをする習慣をつけてみましょう ・「『か』がつく食べ物、いくつ言える?」などのクイズも効果的です
「ちゃんと座りなさい」と何度言っても姿勢が崩れてしまうお子様は、怠けているのではなく、体幹の筋力が十分でない場合があります。
バランスボールに座ることで、遊びながら自然と体幹を使います。身長130cm以下のお子様には直径45cm、それ以上のお子様には55cmのボールが適しています。無理に「じっと座らせる」のではなく、体を動かしながら学べる環境をつくることがポイントです。
**ご家庭でできるヒント** ・テレビを見るときだけバランスボールに座る、など短時間から始めましょう ・「何秒座っていられるかチャレンジ」もゲーム感覚で楽しめます
「120円のジュースを買って、200円出したらお釣りはいくら?」
教科書の計算問題ではピンとこなくても、お買い物ごっこなら夢中になるお子様は多いです。しょうとくクラブでは、模擬のお金を使って施設内に小さなお店をつくり、値段の計算やお釣りのやり取りを体験的に学んでいます。
計算だけでなく、「予算内で選ぶ」「合計金額を考える」「お金を丁寧に扱う」といった生活スキルの練習にもなります。
**ご家庭でできるヒント** ・実際のお買い物で「これ、いくらだと思う?」と声をかけてみましょう ・おやつを選ぶとき「300円まで」とルールを決めて計算させるのも効果的です
調理活動は、実はとても教科横断的な療育です。
しょうとくクラブでは、安全に配慮した子ども用の調理器具を使い、イラスト付きのレシピカードで手順を「見える化」しながら取り組んでいます。「自分でつくった」という達成感は、学習への自信にもつながります。
ゲームには学びの要素がたくさん詰まっています。
ゲームの良いところは、「順番を待つ」「ルールを守る」「負けても気持ちを切り替える」といったソーシャルスキルも自然と身につくこと。学習支援とSST(ソーシャルスキルトレーニング)を同時に行える、効率的な療育方法です。
しょうとくクラブでは、市販のゲームに加えて、子どもたちと一緒にオリジナルのすごろくをつくることもあります。問題カードを自分で考える作業が、そのまま学びになります。
どんなに良い療育プログラムも、お子様が集中できる環境がなければ効果は半減します。しょうとくクラブでは、学習環境にもこだわっています。
**集中ブースの設置** 卓上パーテーションで視覚的な刺激を減らした「集中ブース」を設置しています。周囲が気になりやすいお子様でも、自分の学習に集中しやすくなります。
**選べる学習スタイル** 椅子と机、座卓(床座スタイル)、バランスボールなど、お子様が自分に合った姿勢を選べるようにしています。「どの座り方が集中できる?」と自分で考えて選ぶこと自体が、自己理解の第一歩です。
**聴覚環境への配慮** 聴覚過敏のあるお子様にはイヤーマフを用意し、逆に適度な環境音があった方が集中できるお子様にはホワイトノイズマシンを使うこともあります。一人ひとりの感覚特性に合わせた環境づくりを大切にしています。
**視覚タイマーの活用** 「あと何分」を視覚的に示すタイムタイマーを、すべての学習場面で活用しています。時間の感覚がつかみにくいお子様でも、赤い部分が減っていく様子を見て、自分で時間を管理する力が少しずつ育っていきます。
療育で身についた力を日常に活かすには、「習慣」に落とし込むことが大切です。
**自分だけの時間割ボード** 来所したらまず、今日のスケジュールをマグネット式のボードで自分で組み立てます。「宿題→おやつ→ゲーム→振り返り」など、自分で決めた流れに沿って活動することで、見通しを持つ力と自己決定の経験を積みます。
**宿題タスク分解シート** 「算数ドリル3ページ」という宿題も、1ページずつに分解してチェックボックスをつけます。スモールステップを「見える化」することで、一つひとつ達成感を味わいながら進められます。
**振り返りノート** 帰る前に、「今日やったこと」「できたこと」「明日がんばりたいこと」を3行で書きます。書字の練習を兼ねながら、自分の活動を振り返る「メタ認知」のトレーニングにもなっています。
放課後等デイサービスや児童発達支援での学習支援は、学校の勉強をそのまま繰り返す場ではありません。一人ひとりの発達段階や特性に合わせて、「学ぶための土台」を遊びや体験の中で育てていく場です。
今回ご紹介した7つのアイデアは、すべてしょうとくクラブの現場で実際に取り組んでいる内容です。
大切なのは、お子様自身が「楽しい」「もっとやりたい」と感じられること。その気持ちが、学びへの意欲の原動力になります。
帯広市で放課後等デイサービス・児童発達支援をお探しの方、お子様の学習支援についてお悩みの方は、ぜひ一度しょうとくクラブにご相談ください。見学・体験も随時受け付けています。
参考文献
・厚生労働省「DCD支援マニュアル」(令和4年度障害者総合福祉推進事業)
・こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月改訂版)
・北出勝也『発達障害の子のビジョントレーニング』講談社
・国立特別支援教育総合研究所「発達障害教育推進センター」各種研究報告
見学・体験 随時受付中
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